ドローンマッピング MicaSense マルチスペクトルカメラ関連論文集
RedEdge
・Detecting Infected Cucumber Plants with Close-Range Multispectral Imagery
(近接マルチスペクトル画像による感染キュウリ株の検出)
Claudio I. Fernández,Brigitte Leblon,Jinfei Wang,Ata Haddadi,Keri Wang
2021
https://www.mdpi.com/2072-4292/13/15/2948
温室栽培のキュウリを対象に、RedEdgeによる近接マルチスペクトル撮影と機械学習を組み合わせ、うどんこ病感染株の検出可能性を検証した研究。青バンド単独およびRGB合成画像で約89%の分類正解率を達成した。
・Identification of diseases and physiological disorders in potato via multispectral drone imagery using machine learning tools
(機械学習とドローンマルチスペクトル画像によるジャガイモの病害・生理障害の識別)
William A. León-Rueda, Camilo León, Sandra Gómez-Caro, Joaquín Guillermo Ramírez-Gil
2021
https://research.tudelft.nl/en/publications/identification-of-diseases-and-physiological-disorders-in-potato-/
RedEdgeを搭載したドローンによるマルチスペクトル画像を使用し、ジャガイモの萎凋病、湛水ストレス、原因不明の生育異常の識別を検証した研究。植生指数とランダムフォレストによる機械学習を組み合わせ、試験区の一方では73.5~82.5%の分類正解率を達成した。一方、別の試験区では35~37.5%にとどまり、異なる圃場条件における分類精度の安定性が課題であることが示された。
・Aerial Visual Perception in Smart Farming: Field Study of Wheat Yellow Rust Monitoring
(スマート農業における空中視覚認識:小麦黄さび病監視の圃場研究)
Jinya Su, Dewei Yi, Baofeng Su, Zhiwen Mi, Cunjia Liu, Xiaoping Hu, Xiangming Xu, Lei Guo, Wen-Hua Chen
2021
https://ieeexplore.ieee.org/document/9027887/
RedEdgeを搭載したDJI Matrice 100で冬小麦の圃場を撮影し、深層学習U-Net法による黄さび病の自動検出を検証した研究。マルチスペクトル画像の分光情報と空間的特徴を組み合わせることで、従来のランダムフォレスト法による分類よりも高い識別性能を示した。ドローンによる農作物の病害分布把握と精密農業への応用可能性を示している。
・Quantification of Biophysical Parameters and Economic Yield in Cotton and Rice Using Drone Technology
(ドローン技術を用いた綿花と水稲の生物物理学的指標および可収穫収量の定量化)
Sellaperumal Pazhanivelan, Ramalingam Kumaraperumal, P. Shanmugapriya, N. S. Sudarmanian, A. P. Sivamurugan, S. Satheesh
2023
https://www.mdpi.com/2077-0472/13/9/1668
RedEdgeを搭載したドローンを使用し、綿花と水稲の葉面積指数(LAI)、クロロフィル指標および収量の推定を検証した研究。複数の植生指数と地上測定値を比較した結果、綿花のLAIではWDRVI(R=0.955)、水稲ではVARI(R=0.982)が高い相関を示した。また、これらの生育指標を用いた収量予測も実施し、ドローンによる非破壊的な生育評価と収量推定への応用可能性を示した。
・ドローンに搭載可能な近赤外カメラの比較と検討:RedEdgeとYubaflex
濱 侃, 田中 圭, 田 寛之, 近藤 昭彦
2018
https://doi.org/10.11440/rssj.38.451
RedEdgeとBIZWORKS Yubaflexを比較し、ドローンによる植生モニタリングにおける性能とNDVIデータの互換性を検証した研究。Yubaflexで算出したNDVIはRedEdgeより低い値を示したものの、両者は相互変換が可能であることが確認された。また、NDVIの時系列比較や複数画像の統合には、DN値から放射輝度への変換処理が必要であることが示された。
・水稲栽培圃場における3種類のマルチスペクトルカメラ比較
林 志炫, 石原 光則, 常松 浩史, 杉浦 綾
2021
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsproc/251/0/251_160/_pdf/-char/ja
RedEdge、DJI P4 Multispectral、Parrot Sequoia+の3機種を用いて、水稲栽培圃場における反射率と植生指数の違いを比較した研究。2020年に計7回のドローン撮影を実施した結果、NDVIはRedEdge、Sequoia+、P4Mの順に高い値を示した。一方、P4MはNDVIの飽和が遅く、出穂直前まで生育状況のばらつきを可視化できた。NDREについては各機種の観測波長域の違いが大きく影響することが示された。
・ドローンを利用した広域リモートセンシング技術
官 森林, 大段 秀記
2021
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsamfe/83/2/83_74/_pdf/-char/en
RedEdgeとParrot Sequoia+を搭載したドローンを用い、100ha以上の広域農地における効率的なリモートセンシング技術を検証した研究。RedEdgeではDJI Matrice 100を使用し、高度115m、GSD7.9cmで撮影した。撮影能率は10.1~16.1ha/10分となり、低高度撮影と比較して約10倍の効率を実現した。また、Pix4DfieldsによるNDVIマップ作成は0.7~2時間で完了し、Pix4Dmapperと比較して解析時間を大幅に短縮した。さらに、一部の水稲圃場では生育診断に基づく追肥によって5%の増収が報告された。
RedEdge-3
・Calibration of a common shortwave multispectral camera system for quantitative agricultural applications
(定量的農業利用に向けた汎用短波長マルチスペクトルカメラシステムの校正)
J. Burdette Barker, Wayne E. Woldt, Brian D. Wardlow, Christopher M. U. Neale, Mitchell S. Maguire, Bryan C. Leavitt, Derek M. Heeren
2020
https://doi.org/10.1007/s11119-019-09701-6
RedEdge-3と日射センサー(DLS)の放射量計測特性を、校正済み積分球を使用して検証した研究。両センサーは通常の農業観測で想定される光量範囲において良好な線形性を示し、比較的単純な線形補正が有効であることが確認された。一方、極端な低照度条件では非線形性が認められ、曇天や部分的な雲の影響を受ける条件ではDLSによる日射補正にも限界があることが示された。
・Dataset on unmanned aerial vehicle multispectral images acquired over a vineyard affected by Botrytis cinerea in northern Spain
(スペイン北部の灰色かび病被害ブドウ畑で取得したUAVマルチスペクトル画像データセット)
Sergio Vélez, Mar Ariza-Sentís, João Valente
2023
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9842856/
RedEdge-3を搭載したDJI Matrice 210を使用し、スペイン北部の灰色かび病に感染したブドウ畑1.06haを撮影した研究。高度30mから直下視・30°・45°の異なる撮影角度で計4回の飛行を行い、16,504枚のマルチスペクトル画像を取得した。さらに、感染果房や樹木の位置、地上基準点の座標をGNSSで測定し、画像とともに公開した。病害検出アルゴリズムの開発や、撮影角度がSfM三次元復元に与える影響の検証に利用できるデータセットである。
・Rice Leaf Chlorophyll Content Estimation Using UAV-Based Spectral Images in Different Regions
(異なる地域におけるUAV分光画像を用いた水稲葉のクロロフィル含有量推定)
Songtao Ban, Weizhen Liu, Minglu Tian, Qi Wang, Tao Yuan, Qingrui Chang, Linyi Li
2022
https://www.mdpi.com/2073-4395/12/11/2832
RedEdge-3とCubert S185を使用し、中国の上海と寧夏の水田において、ドローン分光画像から水稲葉のクロロフィル含有量(SPAD値)を推定した研究。合計408サンプルを対象に3種類の回帰モデルを比較した結果、同一地域内ではSVRやANNが高い推定精度を示した。一方、異なる地域へのモデル適用ではPLSRが比較的安定した結果を示し、地域やセンサーの異なるデータにも適用可能な汎用的推定モデルの構築可能性が示された。
・レジストレーションと反射率導出を中核とした多眼式マルチスペクトルカメラの画像処理方法
林 志炫, 石原 光則, 常松 浩史, 杉浦 綾
2023
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rssj/43/2/43_2022.028/_article/-char/ja
RedEdge-3、Parrot Sequoia+、DJI P4 Multispectralの3機種を対象に、OpenCVを用いたマルチスペクトル画像のレジストレーションと反射率導出方法を検証した研究。5種類の特徴点検出・記述アルゴリズムを比較した結果、緑バンドを基準画像とする方法が最も良好であり、AKAZEとSIFTでは89%以上のレジストレーション成功率を達成した。また、処理速度ではSIFTが優位であった。レンズ歪み補正から反射率変換までを含む、低コストで実装可能な画像処理方法を提示している。
RedEdge-M
・At-Sensor Radiometric Correction of a Multispectral Camera (RedEdge) for sUAS Vegetation Mapping
(小型UASによる植生マッピングに向けたマルチスペクトルカメラ(RedEdge)のセンサー段階での放射量補正)
Cuizhen Wang
2021
https://doi.org/10.3390/s21248224
RedEdge-Mを用いて森林・湿地・草地の3環境を空撮し、放射量補正方法と植生指数の精度を検証した研究。従来の校正パネルのみを使用した補正では、特に近赤外バンドや曇天時に誤差が生じることを確認した。校正パネルとDLSを組み合わせた補正方法によって反射率の安定性が改善されたほか、Red-edgeバンドを用いたReNDVIが従来のNDVIの飽和問題を軽減できる可能性が示された。
・Bridging the gap between crop breeding and GeoAI: Soybean yield prediction from multispectral UAV images with transfer learning
(作物育種とGeoAIをつなぐ:転移学習によるUAVマルチスペクトル画像からの大豆収量予測)
Juan Skobalski, Vasit Sagan, Haireti Alifu, Omar Al Akkad, Felipe A. Lopes, Fernando Grignola
2024
https://doi.org/10.1016/J.ISPRSJPRS.2024.03.015
RedEdge-MとDJI P4 Multispectralを使用し、アメリカとアルゼンチンの計31,404試験区において、ドローンマルチスペクトル画像から大豆収量を予測した研究。ランダムフォレスト、勾配ブースティング、深層ニューラルネットワークを比較し、統合データでは最大R²=0.76を達成した。また、転移学習による他圃場へのモデル適用を検証した結果、類似した栽培環境では有効性が認められた一方、気候条件や使用センサーが異なる地域間では精度が低下した。さらに、生殖成長期の継続的な撮影が収量予測の精度向上に寄与することが示された。
・Evaluation of UAV multispectral cameras for yield and biomass prediction in wheat under different sun elevation angles and phenological stages
(太陽高度と生育段階の違いによる小麦の収量・バイオマス予測向けUAVマルチスペクトルカメラの評価)
Sahameh Shafiee, Tomasz Mroz, Ingunn Burud, Morten Lillemo
2023
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168169923002624
RedEdge-MとDJI Phantom 4 Multispectralを比較し、太陽高度と生育段階の違いが小麦の収量・バイオマス予測に与える影響を検証した研究。P4Mは太陽高度の変化に対して反射率や植生指数が比較的安定していた一方、収量およびバイオマスの予測精度には両機種で大きな差が認められなかった。最大決定係数は穀粒収量でRedEdge-Mが0.71、P4Mが0.68となった。また、GNDVIは太陽高度の変化による影響が比較的小さく、収量との相関が安定していることが示された。
・Preliminary Investigation into the Geometric Calibration of the MicaSense RedEdge-M Multispectral Camera
(MicaSense RedEdge-Mマルチスペクトルカメラの幾何キャリブレーションに関する予備的研究)
F. Frontera, M. J. Smith, S. Marsh
2020
https://doi.org/10.5194/isprs-archives-XLIII-B2-2020-17-2020
RedEdge-Mの5バンドについて、実験室内のキャリブレーションフレームと写真測量ソフトウェアAustralisを用いて、内部標定要素とレンズ歪みを検証した研究。実測焦点距離は5.398~5.477mm、放射方向の歪み量は46.3~55.5µmであり、同一機器内でもバンド間に差が確認された。また、偏心歪み係数の設定が主点位置の推定に影響することが示された。高精度な写真測量処理には、各バンドに対する個別の幾何キャリブレーションが重要であると結論付けている。
・A Comparison of Several UAV-Based Multispectral Imageries in Monitoring Rice Paddy (A Case Study in Paddy Fields in Tottori Prefecture, Japan)
(水田モニタリングにおける複数のUAVマルチスペクトルカメラの比較 ― 日本・鳥取県の水田を事例として ―)
Muhammad Dimyati, Supriatna Supriatna, Ryota Nagasawa, Fajar Dwi Pamungkas, Rizki Pramayuda
2023
https://www.mdpi.com/2220-9964/12/2/36
鳥取県の水田を対象に、MicaSense RedEdge-M、Sentera Single NDVI、MAPIR Survey3、Bizworks Yubaflexの4種類のUAV搭載カメラを比較した研究。水稲の生育段階に合わせて3回撮影し、NDVIなど6種類の植生指数を評価した。各機種のNDVIの空間分布は類似していたが、絶対値には大きな差があり、出穂期の最大NDVIはRedEdge-Mが0.89、Senteraが0.59、Survey3が0.35、Yubaflexが0.29であった。また、RGB画像から計算可能なVARIも水稲の生育状況を把握する指標として有用であることが示された。
・Tree Species Classification and Health Status Assessment for a Mixed Broadleaf-Conifer Forest with UAS Multispectral Imaging
(UAS搭載マルチスペクトルカメラを用いた針広混交林における樹種分類と樹木の健全性評価)
Azadeh Abdollahnejad, Dimitrios Panagiotidis
2020
https://www.mdpi.com/2072-4292/12/22/3722
RedEdge-Mを搭載したDJI S900を使用し、チェコ共和国の針広混交林において樹種分類とキクイムシ被害による健全性評価を実施した研究。2019年の春季と夏季に撮影した5バンドのマルチスペクトル画像から植生指数と樹冠のテクスチャ情報を抽出し、SVMによる分類を行った。その結果、樹種分類で81.18%、健全性評価で84.71%の全体精度を達成した。また、植生指数とテクスチャ情報を組み合わせることで分類精度が4.24ポイント向上し、Red-edgeバンドが樹木の健全性評価に有効であることが示された。
・Prediction of Strawberry Dry Biomass from UAV Multispectral Imagery Using Multiple Machine Learning Methods
(UAVマルチスペクトル画像と複数の機械学習手法を用いたイチゴの乾燥バイオマス量の予測)
Caiwang Zheng, Amr Abd-Elrahman, Vance Whitaker, Cheryl Dalid
2022
https://www.mdpi.com/2072-4292/14/18/4511
RedEdge-Mを搭載したDJI Inspire 2を使用し、米国フロリダ州のイチゴ栽培試験圃場で乾燥バイオマス量を推定した研究。17種類の品種・系統、532株を対象に、マルチスペクトル画像から植生指数と草冠の形状情報を取得し、6種類の機械学習手法を比較した。その結果、人工ニューラルネットワーク(ANN)が最も高い精度を示し、決定係数R²=0.93を達成した。また、NDREなどのRed-edge関連植生指数が予測に有効であり、形状情報と分光情報を組み合わせることで推定精度が向上することが示された。
・Multisensor UAS mapping of Plant Species and Plant Functional Types in Midwestern Grasslands
(複数のセンサーを搭載したUASによる米国中西部の草原における植物種および植物機能型のマッピング)
Emma C. Hall, Mark J. Lara
2022
https://www.mdpi.com/2072-4292/14/14/3453
RedEdge-M、ハイパースペクトルカメラ、LiDAR、RGBカメラを使用し、米国イリノイ州の草原において植物種および植物機能型の分類精度を比較した研究。ランダムフォレストによる分類の結果、ハイパースペクトルとLiDARの組み合わせが最も高精度で、植物種78%、植物機能型89%を達成した。一方、RedEdge-M単独ではそれぞれ27%、43%であったが、SfMによる高さ情報と季節変化の情報を追加することで植物種分類精度は52%に向上した。複数の観測データを組み合わせることの有効性が示された。
・A Semi-Empirical Anisotropy Correction Model for UAS-Based Multispectral Images of Bare Soil
(UAS搭載マルチスペクトルカメラで取得した裸地土壌画像に対する半経験的な異方性補正モデル)
Giacomo Crucil, He Zhang, Klaas Pauly, Kristof Van Oost
2022
https://www.mdpi.com/2072-4292/14/3/537
RedEdge-Mを使用し、ベルギーの裸地土壌を対象に、太陽光の入射方向とカメラの観測方向によって生じる反射率の異方性を補正する手法を開発した研究。15回のUAS飛行データから異方性係数(ANIF)を推定する半経験的モデルを構築し、反射率の補正を実施した。その結果、同一地点を複数画像から観測した際の反射率の標準偏差が、モデル構築用データでは0.032から0.023、独立検証用データでは0.037から0.030に減少した。また、オルソモザイクに発生する飛行コースに沿った縞模様も大幅に軽減された。
・Evaluating PlanetScope and UAV Multispectral Data for Monitoring Winter Wheat and Sustainable Fertilization Practices in Mediterranean Agroecosystems
(地中海地域の農業生態系における冬小麦の生育監視と持続可能な施肥管理に向けたPlanetScope衛星データとUAVマルチスペクトルデータの評価)
Italo Moletto-Lobos, Katarzyna Cyran, Luciano Orden, Silvia Sánchez-Méndez, Belen Franch, Natacha Kalecinski, Francisco J. Andreu-Rodríguez, Miguel Á. Mira-Urios, José A. Saéz-Tovar, Pierre C. Guillevic, Raul Moral
2024
https://www.mdpi.com/2072-4292/16/23/4474
edEdge-Mを搭載したDJI Inspire 1とPlanetScope衛星画像を使用し、地中海性気候下の冬小麦栽培試験区において、11種類の施肥条件と生育状況の関係を検証した研究。RedEdge-Mは高い空間解像度を活かした植被率の推定でR²=0.82を達成し、PlanetScopeのR²=0.68を上回った。一方、収量や品質の予測ではPlanetScopeが優位であり、RedEdge-Mによる収量・タンパク質含有量の推定精度はR²<0.35にとどまった。衛星とUAVの特性を踏まえた使い分けの重要性が示された。
・UAV Applications in Forest Regeneration Survey: A Review and Case Study
(森林更新調査におけるUAVの活用:レビューと事例研究)
Abishek Poudel, Poonam Joshi, Abinash Devkota, Eddie Bevilacqua
2026
https://www.mdpi.com/2072-4292/18/17/3027
森林更新調査におけるUAV活用について既存研究53件をレビューするとともに、MicaSense RedEdge-Mを搭載したDJI Matrice 100による実証試験を実施した研究。米国ニューヨーク州のレッドパイン植栽地1.5haを対象に、高度93mから撮影したマルチスペクトル画像をMask R-CNNで解析した結果、林分レベルの分類精度は81.3%に達した。一方、地上調査で確認された稚樹本数に対する検出割合は36.8%にとどまり、小さな稚樹の見逃しが課題となった。UAVによる森林更新状況の面的な把握には有効性があるものの、地上調査を完全に代替することは難しいと結論付けている。
・Classification of wheat rust severity using UAV-based multispectral and thermal imaging
(UAVマルチスペクトル・熱画像による小麦さび病の重症度分類)
Neelesh Sharma, Matthew Hayden, Surya Kant
2026
https://doi.org/10.1080/01431161.2026.2709703
RedEdge-MとDJI Zenmuse XT2を搭載したMatrice 600を使用し、オーストラリアの小麦試験圃場で黄さび病に対する耐病性を評価した研究。64遺伝子型を対象に、健全区と感染区の収量損失率から耐病性を3段階に分類し、4種類の機械学習手法を比較した。その結果、マルチスペクトル画像のみでは80%、熱赤外画像のみでは72%、両者を統合したSVMモデルでは84%の分類精度を達成した。また、熱赤外画像のCWSIは植生指数より早い段階でストレスを検出し、複数センサーの併用による病害評価の有効性が示された。
・Rapid Mosaicking of Unmanned Aerial Vehicle (UAV) Images for Crop Growth Monitoring Using the SIFT Algorithm
(SIFTアルゴリズムによる作物生育監視向けUAV画像の高速モザイク処理)
Jianqing Zhao, Xiaohu Zhang, Chenxi Gao, Xiaolei Qiu, Yongchao Tian, Yan Zhu, Weixing Cao
2019
https://www.mdpi.com/2072-4292/11/10/1226
RedEdge-M、DJI Zenmuse X4S、Zenmuse XTを搭載したMatrice 210を使用し、水稲・小麦の生育監視用UAV画像を高速にモザイク処理する手法を開発した研究。画像のコントラストに応じてSIFTの特徴点検出条件を動的に調整し、RANSACで誤対応点を除去することで、処理時間と接合品質の改善を図った。RedEdge-Mの近赤外画像では標準SIFTと比較して処理時間を約23~30%短縮し、SSIMも向上した。また、従来手法では接合できなかった低解像度の熱赤外画像についてもモザイク生成に成功した。
・Applying RGB-Based Vegetation Indices Obtained from UAS Imagery for Monitoring the Rice Crop at the Field Scale
(圃場スケールの水稲監視におけるUAS画像由来RGB植生指数の応用)
Romeu Gerardo, Isabel P. de Lima
2023
https://www.mdpi.com/2077-0472/13/10/1916
RedEdge-Mを搭載したDJI Matrice 600を使用し、ポルトガル中部の水田4区画(約7.64ha)において、RGB画像から算出できる植生指数の有用性を検証した研究。RedEdge-Mの各バンドからRGB植生指数VARI・TGIと、NDVI・NDREなど5種類のマルチスペクトル植生指数を算出して比較した。その結果、VARIとNDVIの相関係数はr=0.97、TGIとMCARI1はr=0.88と強い相関を示した。可視光画像のみを利用した植生指数でも、水稲の栄養成長期後半における圃場内の生育状況を把握できる可能性が示された。
・植栽基盤上のクロマツ海岸防災林に生じた生育不均一性を把握する植生指標の考察
梶原 拓人、川東 正幸、小野 賢二、小谷 英司
2022
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390573242730101376
東日本大震災後に再造成された宮城県名取市のクロマツ海岸防災林を対象に、Sentinel-2衛星画像とMicaSense RedEdge-Mによるマルチスペクトル画像を使用し、生育状況の把握に適した植生指数を検討した研究。植栽年度の異なる16工区を対象にNDVI、NDVIre、EVIを比較した結果、衛星画像ではNDVIの飽和が見られないEVIが適していると考えられた。一方、RedEdge-Mの画像ではNDVIreが林床植生をよく表現し、NDVIの飽和も見られなかった。これらの結果から、観測手段に応じた植生指数の使い分けが提案された。
RedEdge-MX
・Drone-Based Multispectral Imaging for Precision Monitoring of Crop Growth Variables
(ドローンマルチスペクトル撮影による作物生育変数の精密モニタリング)
Devanakonda Venkata Sai Chakradhar Reddy, Rabi N. Sahoo, Tarun Kondraju, Rajan G. Rejith, Rajeev Ranjan, Amrita Bhandari, Ali Moursy, Subhash Chandra Tripathi, Nitesh Kumar
2025
https://www.mdpi.com/2673-9976/41/1/10
RedEdge-MXを搭載したUAVを使用し、インドの小麦試験圃場において、NDVIと葉面積指数(LAI)および葉の窒素含有量(LNC)の関係を検証した研究。3品種の小麦に対して8段階の窒素施肥条件を設定し、開花期と登熟期に高度30mから撮影を実施した。その結果、NDVIとLAIの決定係数は開花期でR²=0.78~0.86、登熟期で0.88~0.90となり、LNCについても登熟期にR²=0.87~0.91の強い相関が確認された。UAVによるNDVI観測が小麦の生育状態や窒素栄養状態の把握に有効である可能性が示された。
・Development and Testing of a UAV Laser Scanner and Multispectral Camera System for Eco-Geomorphic Applications
(生態地形学的用途のためのUAVレーザースキャナー・マルチスペクトルカメラシステムの開発と試験)
Christopher Tomsett, Julian Leyland
2021
https://www.mdpi.com/1424-8220/21/22/7719
RedEdge-MXとVelodyne VLP-16をDJI Matrice 600に搭載し、河川地形と植生構造を同時に計測するUAVシステムを開発・検証した研究。英国テーム川の約1km区間を対象に5回の計測を実施し、GNSS/INSを用いた直接ジオリファレンスによりLiDAR点群とマルチスペクトル画像を取得した。GNSS検証点82点との比較では、LiDARの平均標高誤差が−0.182m、SfMでは−0.469mとなり、特に植生下でLiDARの優位性が確認された。また、LiDARでは約0.1mの地形変化を検出できる再現性が示され、地形と植生の複合的なモニタリングへの有用性が示された。
・Radiometric Correction of Multispectral Field Images Captured under Changing Ambient Light Conditions and Applications in Crop Monitoring
(変動する周辺光条件下で取得したマルチスペクトル圃場画像の放射補正と作物監視への応用)
Beibei Xue, Bo Ming, Jiangfeng Xin, Hongye Yang, Shang Gao, Huirong Guo, Dayun Feng, Chenwei Nie, Keru Wang, Shaokun Li
2023
https://www.mdpi.com/2504-446X/7/4/223
RedEdge-MXを2台使用し、変動する日射条件下で取得したマルチスペクトル画像の放射量補正方法を比較した研究。DJI Matrice 210によるトウモロコシ圃場の撮影と、地上でのダイズ・コンクリート面の観測を実施した。飛行前の校正パネル撮影(Pre-CRP)、日射センサー(DLS)、校正パネルの連続撮影によるリアルタイム補正(Real-time CRP)を比較した結果、Real-time CRPが最も安定した反射率補正性能を示した。また、トウモロコシの葉面積指数や葉緑素含有量と植生指数の関係には天候による違いが認められ、光環境に応じた補正の重要性が示された。
・Lookup Table Approach for Radiometric Calibration of Miniaturized Multispectral Camera Mounted on an Unmanned Aerial Vehicle
(UAV搭載小型マルチスペクトルカメラの放射校正におけるルックアップテーブル手法)
Hongtao Cao, Xingfa Gu, Xiangqin Wei, Tao Yu, Haifeng Zhang
2020
https://www.mdpi.com/2072-4292/12/24/4012
RedEdge-MXを対象に、CMOSセンサーの暗電流、周辺減光、画素ごとの感度差を補正するルックアップテーブル(LUT)方式の放射量校正手法を開発した研究。積分球を使用した室内実験によって各画素の補正係数を取得し、相対放射量校正、撮影条件の正規化、絶対放射量校正を実施した。その結果、メーカー提供の校正方式と比較して相対精度・絶対精度ともに改善し、基準ターゲットの反射率RMSEは青バンド2.30%、近赤外バンド4.70%などとなった。小型マルチスペクトルカメラの放射量校正精度を改善できる可能性が示された。
・Exploring the Application of UAV-Multispectral Sensors for Proximal Imaging of Agricultural Crops
(農作物の近接撮影におけるUAV用マルチスペクトルセンサーの応用検討)
Tarun Teja Kondraju, Rabi N. Sahoo, Selvaprakash Ramalingam, Rajan G. Rejith, Amrita Bhandari, Rajeev Ranjan, Devanakonda Venkata Sai Chakradhar Reddy
2025
https://www.mdpi.com/2673-4591/118/1/91
RedEdge-MXを農作物の近接撮影に利用するため、独立した5つの撮像系で生じるバンド間の位置ずれを補正する画像処理手法を検討した研究。鉢植えの小麦や室内植物を約1.5mの距離から撮影し、OpenCVのORB特徴点検出とRANSAC、ホモグラフィ変換を用いて画像を位置合わせした。その結果、側面画像では良好な位置合わせとNDVI画像の生成に成功した一方、真上からの撮影では特徴点の偏りにより位置ずれが残った。近接マルチスペクトル撮影には、被写体の配置や背景とのコントラスト、特徴点の分布が重要であることが示された。
・Tree Detection and Species Classification in a Mixed Species Forest Using Unoccupied Aircraft System (UAS) RGB and Multispectral Imagery
(UASで取得したRGB画像およびマルチスペクトル画像を用いた混交林における樹木検出と樹種分類)
Poornima Sivanandam, Arko Lucieer
2022
https://www.mdpi.com/2072-4292/14/19/4963
RedEdge-MXとDJI Phantom 4 ProによるRGB・マルチスペクトル画像を用いて、オーストラリア・タスマニア島の混交林における樹木検出と樹種分類を検証した研究。DeepForestによる個体検出、MRS、スーパーピクセルの3手法を比較し、Random Forestで樹種を分類した。その結果、スーパーピクセル方式で84%、ユーカリ2種を統合した場合には93%の分類正解率を達成した。レッドエッジの反射率情報や樹冠高が分類に有用である一方、樹冠の重複や樹種間のスペクトルの類似性が課題として示された。
・Evaluation of Unoccupied Aircraft System (UAS) Remote Sensing Reflectance Retrievals for Water Quality Monitoring in Coastal Waters
(沿岸水質監視のためのUASリモートセンシング反射率推定の評価)
Anna E. Windle, Greg M. Silsbe
2021
https://doi.org/10.3389/fenvs.2021.674247
RedEdge-MXをDJI Phantom 4 Proに搭載し、米国チェサピーク湾の沿岸水域で水質推定に必要なリモートセンシング反射率の補正方法を検証した研究。水面反射光を除去する4手法を比較し、現地のハイパースペクトル測定値および採水分析結果と照合した。近赤外バンドを利用した画素単位の補正が有効であり、補正後の反射率からクロロフィルa濃度を相対RMSE37%、全懸濁物質濃度を9%で推定した。農業用マルチスペクトルカメラの沿岸水質モニタリングへの応用可能性が示された。
・Estimating yield-contributing physiological parameters of cotton using UAV-based imagery
(UAV画像による綿花の収量関連生理指標の推定)
Amrit Pokhrel, Simerjeet Virk, John L. Snider, George Vellidis, Lavesta C. Hand, Henry Y. Sintim, Ved Parkash, Devendra P. Chalise, Joshua M. Lee, Coleman Byers
2023
https://doi.org/10.3389/fpls.2023.1248152
RedEdge-MXをDJI Inspire 2に搭載し、米国ジョージア州の綿花圃場で収量形成に関わる生理学的指標の推定を検証した研究。2021~2022年の栽培期間に約2週間間隔で撮影し、20種類の植生指数を解析した。光合成有効放射の受光割合はRVIでR²=0.93、地上部バイオマスはMSAVIでR²=0.84の交差検証結果を得た。一方、RGB画像による綿繊維収量推定はR²=0.69、収穫指数の推定はR²=0.40~0.49にとどまった。UAVマルチスペクトル画像による綿花の生育評価の有効性と、収量推定の課題が示された。
・Phenological stage and vegetation index for predicting corn yield under rainfed environments
(天水栽培環境におけるトウモロコシ収量予測のための生育段階と植生指数)
Amrit Shrestha, Raju Bheemanahalli, Ardeshir Adeli, Sathishkumar Samiappan, Joby M. Prince Czarnecki, Cary Daniel McCraine, K. Raja Reddy, Robert Moorhead
2023
https://doi.org/10.3389/fpls.2023.1168732
RedEdge-MXを使用し、米国ミシシッピ州の天水栽培トウモロコシ圃場で、収量予測に適した植生指数と撮影時期を検討した研究。2020~2022年の3年間にわたり高度61mから定期撮影し、50種類以上の植生指数を比較した。その結果、レッドエッジと近赤外を利用するLCI、MTCI、mND705など5種類が3年間を通じて収量と有意な相関を示した。特に絹糸抽出期(R1)の予測性能が高く、各年の最良モデルの決定係数はR²=0.62~0.92であった。収量予測には植生指数の選択に加え、撮影時期と気象条件の考慮が重要であることが示された。
・Evaluating how lodging affects maize yield estimation based on UAV observations
(UAV観測によるトウモロコシ収量推定に倒伏が及ぼす影響の評価)
Yuan Liu, Chenwei Nie, Zhen Zhang, ZiXu Wang, Bo Ming, Jun Xue, Hongye Yang, Honggen Xu, Lin Meng, Ningbo Cui, Wenbin Wu, Xiuliang Jin 2023
https://doi.org/10.3389/fpls.2022.979103
RedEdge-MXとSony α7R IIをDJI Matrice 600 Proに搭載し、倒伏したトウモロコシの収量予測精度を検証した研究。中国河南省の132試験区を対象に、マルチスペクトル画像の植生指数とRGB画像の構造・テクスチャ情報を取得し、倒伏面積と程度を表す倒伏指数を開発した。Random Forestによる収量推定では、倒伏指数を追加することで3つの生育段階すべてで精度が改善した。特にR5期では決定係数がR²=0.806から0.859に向上し、相対RMSEは13.1%となった。倒伏状況を考慮したUAV収量予測の有効性が示された。
・Feasibility of Combining Deep Learning and RGB Images Obtained by Unmanned Aerial Vehicle for Leaf Area Index Estimation in Rice
(UAV取得RGB画像と深層学習の組み合わせによる水稲葉面積指数推定の実現可能性)
Tomoaki Yamaguchi, Yukie Tanaka, Yuto Imachi, Megumi Yamashita, Keisuke Katsura
2021
https://www.mdpi.com/2072-4292/13/1/84
水稲の葉面積指数(LAI)推定について、UAVで取得したRGB画像と深層学習を組み合わせた手法を、MicaSense RedEdge-MXによるマルチスペクトル植生指数などと比較した研究。RGB画像を深層学習で解析したモデルはR²=0.963、RMSE=0.334を達成し、RedEdge-MXの近赤外・赤バンドによるSRを用いたモデル(R²=0.976、RMSE=0.332)と同程度の推定性能を示した。RGB画像と深層学習の組み合わせが、マルチスペクトル画像による水稲LAI推定の代替手法となる可能性が示された。
・ドローン空撮用マルチスペクトルカメラの違いによる水稲観測結果の影響評価
石原 光則、林 志炫、杉浦 綾、常松 浩史
2022
https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/kiban/2022/rcait_s01.html
RedEdge-MX、Parrot Sequoia+、DJI P4 Multispectralの3機種について、水稲の反射率と植生指数に生じる機種間差をシミュレーションにより評価した研究。PROSAIL放射伝達モデルを用い、葉面積指数、太陽天頂角、散乱光比などの条件を変えて比較した。その結果、特にレッドエッジ領域の反射率とNDREに大きな機種間差が認められた。一方、植生指数の違いは線形回帰による補正が可能であり、機種の異なる観測データを比較する際には波長特性と撮影条件を考慮する必要があることが示された。
・Comparative Analysis of 5-band and 10-band Multispectral Drone Imagery for Salt Marsh Vegetation Mapping
(塩性湿地植生マッピングにおける5バンドと10バンドのドローンマルチスペクトル画像の比較解析)
Gregory S. Norris, Brigitte Leblon, Armand LaRocque, Myriam A. Barbeau, Alan R. Hanson
2026
https://doi.org/10.5194/isprs-annals-XI-M-1-2026-39-2026
RedEdge-MX Red・Blueの各5バンド構成と、両者を組み合わせた10バンドのDual Camera Systemを比較し、カナダの塩性湿地における植生分類精度と処理効率を評価した研究。自然湿地と復元湿地の2地点を対象に、複数時期の画像からRandom Forestによる分類を実施した。復元湿地では5バンドのRedで94.5%、Blueで95.0%、10バンドのDualで95.2%の総合正解率を達成したが、10バンド化による精度改善は限定的で、画像処理時間は増加した。植生分類では、バンド数だけでなく撮影時期や画像のテクスチャ情報が重要であることが示された。
RedEdge-MX Dual
・Comparison of UAS and Sentinel-2 Multispectral Imagery for Water Quality Monitoring: A Case Study for Acid Mine Drainage Affected Areas (SW Spain)
(水質監視におけるUASとSentinel-2マルチスペクトル画像の比較:スペイン南西部の酸性鉱山排水影響域の事例)
Melisa A. Isgró, M. Dolores Basallote, Isabel Caballero, Luis Barbero
2022
https://doi.org/10.3390/rs14164053
RedEdge-MX DualをDJI Matrice 210 V2に搭載し、スペイン南西部の酸性鉱山排水に汚染された水域を対象に、UAVとSentinel-2衛星のマルチスペクトル反射率を比較した研究。Sentinel-2画像にはC2RCCとC2Xの2種類の大気補正を適用し、UAV観測値との一致度を評価した。C2RCCの方が比較的良好だったものの、両者の反射率には有意な差があり、特に暗赤褐色の酸性水域では一致度が低かった。UAVと衛星の観測データを統合した広域水質モニタリングには、反射率の整合性を検証する必要があることが示された。
・UAV multispectral to hyperspectral reconstruction based on deep learning and radiative transfer models for crop nitrogen monitoring
(作物窒素監視のための深層学習と放射伝達モデルによるUAVマルチスペクトルからハイパースペクトルへの再構成)
Jie Wang, Anirudh Belwalkar, Sebastian T. Meyer, Fei Li, Ittai Herrmann, Kang Yu
2026
https://doi.org/10.1016/j.jag.2026.105364
RedEdge-MX DualをDJI Matrice 300に搭載し、取得した10バンドのマルチスペクトル画像から、深層学習とPROSAIL-PRO放射伝達モデルを組み合わせて400~2500nmのハイパースペクトル反射率を再構成した研究。ドイツの小麦圃場60区画を対象に、地上分光放射計による実測値と比較した。提案手法は全波長域のRMSEが0.041となり、従来の物理モデル単独の0.048を改善した。特に窒素状態に関連するSWIR領域の再構成が向上し、作物の窒素・タンパク質関連指標の推定に有用であることが示された。
・Transferring RGB-Pretrained CNNs to Multispectral UAV Imagery for Salt Marsh Vegetation Classification
(RGB事前学習CNNのマルチスペクトルUAV画像への転移による塩性湿地植生分類)
Sadiq Olayiwola Macaulay, Eleonora Maset, Francesco Boscutti, Paolo Cingano, Francesco Trevisan, Giacomo Trotta, Marco Vuerich, Andrea Fusiello
2026
https://www.mdpi.com/2072-4292/18/4/655
RedEdge-MX DualをDJI Matrice 210 V2に搭載し、塩性湿地の植生分類にRGB画像で事前学習した深層学習モデルを応用した研究。10バンドのマルチスペクトル画像と5種類の植生指数を組み合わせ、15チャンネルの情報を3チャンネルに変換してVGG-16へ入力する手法を開発した。7クラスの分類では総合正解率98.4%を達成し、Random Forestの90.6%、SVMの70.3%を上回った。植生指数の追加が分類性能の向上に寄与し、少量の教師データでもRGB事前学習モデルをマルチスペクトル画像へ応用できる可能性が示された。
・A Comparative Study of Multi-Rotor Unmanned Aerial Vehicles (UAVs) with Spectral Sensors for Real-Time Turbidity Monitoring in the Coastal Environment
(沿岸環境におけるリアルタイム濁度モニタリングのための分光センサー搭載マルチローター型UAVの比較研究)
Ha Linh Trinh, Hieu Trung Kieu, Hui Ying Pak, Dawn Sok Cheng Pang, Wai Wah Tham, Eugene Khoo, Adrian Wing-Keung Law
2024
https://www.mdpi.com/2504-446X/8/2/52
シンガポール海峡の埋立工事周辺海域を対象に、MicaSense RedEdge-MX Dualを搭載したDJI Matrice 300 RTKと、61バンドのハイパースペクトルカメラを搭載したDJI Matrice 600 Proによる濁度モニタリングを比較した研究。RedEdge-MX Dual搭載システムは、濁度分布を現地測定値と概ね整合する精度で推定しながら、約4倍の観測面積と短い画像処理時間を実現した。また、UAV撮影と現地測定の時間差を10分から3分に短縮することで、濁度推定の決定係数R²が0.6497から0.6848に改善した。沿岸域の継続的な環境監視におけるマルチスペクトルUAVの実用性が示された。
・High-Resolution Mapping of Forest Vegetation Types Using Multiplatform Imagery and Advanced Classification Techniques
(複数の観測プラットフォームによる画像と高度な分類手法を用いた森林植生タイプの高解像度マッピング)
Javier Marcello, Francisco Eugenio, Antonio Mederos-Barrera, Consuelo Gonzalo-Martín, Ángel García-Pedrero, Meryeme Boumahdi
2026
https://www.mdpi.com/2072-4292/18/17/2871
スペイン・カナリア諸島のラ・パルマ島を対象に、MicaSense RedEdge-MX DualとDJI Zenmuse L1を搭載したUAVによる高解像度観測と、WorldView-2/3衛星画像を組み合わせて森林植生型を分類した研究。島内43地点で取得したマルチスペクトル画像とLiDARデータを用いた詳細分類では、平均98%以上の総合正解率を達成した。UAVの分類結果を衛星画像の教師・検証データ作成に活用し、10種類の分類手法を比較した結果、広域分類ではRandom Forestが最良の性能を示した。さらに、作成した植生型マップを用いてSentinel-2による経年変化の分析も実施した。
・Unmanned Aerial System-Based Multispectral Water Quality Monitoring in the Iberian Pyrite Belt (SW Spain)
(イベリア黄鉄鉱帯におけるUASマルチスペクトル水質監視)
Melisa A. Isgró, M. Dolores Basallote, Luis Barbero
2021
https://doi.org/10.1007/s10230-021-00837-4
スペイン南西部イベリア黄鉄鉱帯の廃鉱山周辺にある12か所の水域を対象に、MicaSense RedEdge-MX Dualを搭載したDJI Matrice 210 V2 RTKによるマルチスペクトル観測と現地水質分析を組み合わせた研究。10バンドの反射率とバンド間演算値から回帰モデルを構築し、pH、電気伝導率、鉄・銅・亜鉛などの濃度を推定した。主要な水質項目ではR²=0.81~0.99が報告され、汚染水の空間分布図を作成できた。一方、項目によって推定誤差は大きく、他地域への適用にはモデルの再較正が必要とされた。
・Non-destructive monitoring of maize LAI by fusing UAV spectral and textural features
(UAV分光・テクスチャ特徴量の融合によるトウモロコシ葉面積指数の非破壊モニタリング)
Xinkai Sun, Zhongyu Yang, Pengyan Su, Kunxi Wei, Zhigang Wang, Chenbo Yang, Chao Wang, Mingxing Qin, Lujie Xiao, Wude Yang, Meijun Zhang, Xiaoyan Song, Meichen Feng
2023
https://doi.org/10.3389/fpls.2023.1158837
中国山西省のトウモロコシ140品種を対象に、MicaSense RedEdge-MX Dualを搭載したDJI Matrice 210 V2で取得した10バンドのマルチスペクトル画像から、葉面積指数(LAI)を非破壊推定した研究。5生育時期の計700データを用い、植生指数とGLCM由来のテクスチャ指数を組み合わせ、4種類の機械学習手法を比較した。SVMによる融合モデルが最も良好で、検証データにおいてR²=0.813、RMSE=0.297を達成した。分光情報と画像テクスチャの併用が、トウモロコシのLAI推定精度を向上させることが示された。
RedEdge-P
・UAV multispectral sensing and data-driven modeling for precision onion yield prediction
(精密なタマネギ収量予測のためのUAVマルチスペクトル計測とデータ駆動型モデル)
Sagar M. Wayal, Shardul Parab, Anusha Raj, Kiran Khandagale, Sanket Bhegde, Mukund Dawale, Indira Bhangare, Mahesh Khaire, Yogesh Kadam, Zafar Shaikh, V. Karuppaiah, Pranjali Gedam, Bhushan Bibwe, Sanket J. More, Lakesh K. Sharma, Vijay Mahajan, Suresh J. Gawande
2026
https://doi.org/10.3389/fpls.2025.1696730
インドの雨季栽培タマネギを対象に、MicaSense RedEdge-Pを搭載したUAVによるマルチスペクトル観測と機械学習を組み合わせ、収量予測を行った研究。2023~2024年の計120試験区について、NDVI、NDRE、SAVIなどの植生・生育指標を抽出し、5種類の予測モデルを比較した。球肥大期のRandom Forestモデルが最も良好で、10分割交差検証においてR²=0.755、RMSE=3.824t/haを達成した。一方、予測精度には年次差があり、異なる栽培環境への適用には追加検証が必要とされた。
・Combining UAV Multispectral Imaging and PROSAIL Model to Estimate LAI of Potato at Plot Scale
(UAVマルチスペクトル画像とPROSAILモデルを組み合わせた区画単位でのジャガイモの葉面積指数(LAI)推定)
Shuang Li, Yongxin Lin, Ping Zhu, Liping Jin, Chunsong Bian, Jiangang Liu
2024
https://www.mdpi.com/2077-0472/14/12/2159
中国河北省のジャガイモ2品種・40試験区を対象に、MicaSense RedEdge-Pを搭載したUAVによるマルチスペクトル観測とPROSAIL放射伝達モデルを組み合わせ、葉面積指数(LAI)を推定した研究。LUTによる反射率照合と機械学習を用いた推定手法を比較し、PROSAIL+PLSRが最も良好な性能を示した。塊茎肥大期では検証R²=0.87、全生育時期・2品種統合ではR²=0.75を達成し、物理モデルを用いたLAI推定の有効性が示された。
・Integrating Remote Sensing and Soil Features for Enhanced Machine Learning-Based Corn Yield Prediction in the Southern US
(米国南部におけるリモートセンシングデータと土壌特性を統合した機械学習によるトウモロコシ収量予測の高精度化)
Sayantan Sarkar, Javier M. Osorio Leyton, Efrain Noa-Yarasca, Kabindra Adhikari, Chad B. Hajda, Douglas R. Smith
2025
https://www.mdpi.com/1424-8220/25/2/543
米国テキサス州の天水栽培トウモロコシ圃場を対象に、MicaSense RedEdge-Pを搭載したWingtraOne Gen IIによるマルチスペクトル観測と、土壌特性・地形情報を組み合わせて収量を予測した研究。7生育時期の画像から植生指数などを抽出し、土壌の砂・粘土・シルト含有率、有機物量、傾斜などと統合して4種類の回帰モデルを比較した。Random Forestが最良の性能を示し、V12~V14/VT期でRMSE=0.52t/haを達成した。土壌・地形情報の追加によって予測精度が有意に向上し、分光情報だけでは捉えられない生育環境を考慮する有効性が示された。
・A Multi-Sensor UAV Platform: Design, Testing, and Application for High-Throughput Plant Phenotyping
(ハイスループット植物フェノタイピングのためのマルチセンサー搭載UAVプラットフォームの設計・試験・応用)
Liyike Ji
2026
https://www.mdpi.com/2504-446X/10/5/372
米国製UAV「Inspired Flight IF800 TOMCAT」に、MicaSense RedEdge-P、RGBカメラ、サーマルカメラを同時搭載するモジュール式マルチセンサープラットフォームを開発した研究。米国の公的研究におけるドローン調達規制への対応と、センサーの交換・更新が容易な設計を目的とした。ランタナの育種試験圃場で実証し、RGB画像との位置合わせ誤差はRedEdge-Pで0.88cm、サーマルで3.23cmを達成した。RedEdge-P由来の草冠高推定ではRMSE=1.57cmを示し、植物の形態・分光・温度情報を統合するシステムの有効性が確認された。
・Mapping Spatial Variability of Sugarcane Foliar Nitrogen, Phosphorus, Potassium and Chlorophyll Concentrations Using Remote Sensing
(リモートセンシングによるサトウキビ葉の窒素・リン・カリウム・クロロフィル濃度の空間変動マッピング)
Ericka F. Picado, Kerin F. Romero, Muditha K. Heenkenda
2025
https://doi.org/10.3390/geomatics5010003
コスタリカの約9haのサトウキビ圃場を対象に、MicaSense RedEdge-Pによるマルチスペクトル画像とDJI Zenmuse L1によるLiDARデータを組み合わせ、葉中の窒素・リン・カリウムおよびクロロフィルの空間分布を推定した研究。25調査区の葉の化学分析・現地測定値を基準として重回帰モデルを構築し、R²はクロロフィル0.61、窒素0.71、リン0.96、カリウム0.44となった。特にリン濃度と植物高には強い負の相関が認められ、分光情報と三次元構造情報を組み合わせた栄養状態の可視化の可能性が示された。
・Multi-Feature Fusion for Estimating Above-Ground Biomass of Potato by UAV Remote Sensing
(UAVリモートセンシングの複数特徴量融合によるジャガイモ地上部バイオマス推定)
Guolan Xian, Jiangang Liu, Yongxin Lin, Shuang Li, Chunsong Bian
2024
https://www.mdpi.com/2223-7747/13/23/3356
中国河北省のジャガイモ圃場を対象に、MicaSense RedEdge-Pを搭載したDJI Inspire 2によるマルチスペクトル・RGB観測と、気象・生育情報を組み合わせて地上部バイオマスを推定した研究。植生指数、テクスチャ、植被率、有効積算温度、品種ごとの生育進度比を用い、6種類の回帰・機械学習手法を比較した。Random Forestによる複数特徴量の融合が良好な性能を示し、テストデータでR²=0.78~0.79を達成した。特に品種間の生育期間の違いを考慮することで、推定精度が改善することが示された。
・Analysis of the water quality of Lake Hachiro, Japan, using time-series UAV and satellite data
(時系列UAV・衛星データを用いた日本・八郎湖の水質分析)
Hikaru Shirai, Tatsuya Yatsushima, Miyuki Asano, Sayaka Itoh, Yoichi Kageyama
2026
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ijsmer/advpub/0/advpub_679/_html/-char/ja
秋田県八郎湖を対象に、MicaSense RedEdge-Pを搭載したDJI Matrice 300 RTKによる2023~2024年の時系列観測と、Sentinel-2衛星画像を組み合わせて水質分布を分析した研究。BOD、COD、SS、全窒素、全リン、クロロフィルaの6項目を対象に、分光バンドとバンド比を用いたファジィ回帰分析を実施した。緑・レッドエッジ・近赤外バンドがアオコ発生水域の評価に有効であり、両年とも8月から9月にかけて汚濁が進行する傾向を確認した。UAVによる局所的な高解像度観測と衛星による広域観測を組み合わせる有効性が示された。
RedEdge-P Dual
・Summer Maize Leaf Area Index Estimation Using Approximate Days After Sowing and Dual-Domain Paired-Difference Features
(概算播種後日数と二領域間の差分特徴量を用いた夏トウモロコシの葉面積指数(LAI)推定)
Xianfeng Hu, Chuanyu Zhang, Quan Qin, Yuanhao Sun, Guixu Dong, Chengle Li, Zhengdong Wang, Lijing Han, Yuxue Jia, Xiaokang Zhang
2026
https://www.mdpi.com/2673-2688/7/10/433
中国山東省の夏トウモロコシ圃場を対象に、MicaSense RedEdge-Pを搭載したDJI Matrice 350 RTKによるマルチスペクトル画像から葉面積指数(LAI)を推定した研究。土壌や小麦収穫残渣による背景混入の影響を軽減するため、圃場全体と植生部分の分光特徴量、その差分、近傍統計量、概算播種後日数を組み合わせた。GBDTによる空間交差検証ではR²が0.515から0.846に改善した。
Altum
・Benchmarking the Reliability of Sentinel-2 Satellite Data for Estimating Vineyard NDVI and Leaf Area Index Parameters through UAV LiDAR and Multispectral Imagery
(UAV LiDARとマルチスペクトル画像によるブドウ畑のNDVI・葉面積指数推定に関するSentinel-2衛星データの信頼性評価)
Sergio Vélez, Mar Ariza-Sentís, João Valente
2023
https://www.mdpi.com/2673-4931/29/1/1
スペイン北部のワイン用ブドウ畑を対象に、MicaSense AltumおよびDJI Zenmuse L1を搭載したMatrice 300によるUAV観測と、Sentinel-2衛星データを比較した研究。2022年7~9月の観測で、衛星とUAVのNDVIには一定の相関が確認されたが、R²は7月の0.60から9月には0.36へ低下した。一方、衛星由来LAIとLiDAR由来の樹冠投影面積には明瞭な相関が認められなかった。樹列と裸地が混在するブドウ畑では、衛星画像は生育差の把握には有用だが、葉面積の定量推定には注意が必要であることが示された。
・Assessment of Vegetation Indices Derived from UAV Imagery for Weed Detection in Vineyards
(ブドウ畑の雑草検出におけるUAV画像由来の植生指数の評価)
Fabrício Lopes Macedo, Humberto Nóbrega, José G. R. de Freitas, Miguel A. A. Pinheiro de Carvalho
2025
https://www.mdpi.com/2072-4292/17/11/1899
ポルトガル・マデイラ島のブドウ畑を対象に、MicaSense Altumを搭載したDJI Matrice 210 RTK V2によるUAV画像から雑草を検出した研究。2024年の生育期間中に、NGRDI、NDVI、GLI、NDRE、GNDVIの5種類の植生指数と、SVM、RT、KNNの3種類の教師あり分類手法を比較した。NGRDIは複数の観測時期で比較的良好な性能を示し、雑草検出のF1スコアは最大0.786となった。ただし、分類性能は観測時期によって変化し、教師あり分類手法との間に統計的な有意差は確認されなかった。
・Evaluating the impact of different UAV thermal sensors on evapotranspiration estimation
(UAV搭載熱赤外センサーの違いが蒸発散量推定に及ぼす影響の評価)
Emre Tunca,Eyüp Selim Köksal
2024
https://doi.org/10.1016/j.infrared.2023.105093
トルコのソルガム圃場を対象に、MicaSense AltumとFLIR Duo Pro-Rの2種類のUAV搭載熱赤外センサーを比較し、蒸発散量推定への影響を評価した研究。灌漑量を4段階に設定し、取得した樹冠・土壌温度を二源熱収支モデル(TSEB)に入力した。両センサーによる蒸発散量推定値に統計的な有意差はなく、十分な灌漑条件での10日間の推定RMSEはAltumが5.63mm、FLIRが7.17mmだった。一方、無灌漑条件では両者とも誤差が大幅に増加し、水ストレス下でのモデル調整の重要性が示された。
・High resolution evapotranspiration from UAV multispectral thermal imagery: Validation and comparison with EC, Landsat, and fused S2-MODIS HSEB ET
(UAVマルチスペクトル熱画像による高解像度蒸発散量推定:渦相関法・Landsat・融合衛星データとの検証比較)
Hadi H. Jaafar、Lara H. Sujud
2025
https://doi.org/10.1016/j.jag.2025.104359
レバノンの約4.5haの灌漑ジャガイモ圃場を対象に、MicaSense Altumによるマルチスペクトル・熱赤外画像とHSEB熱収支モデルを用いて高解像度の蒸発散量を推定した研究。生育期間中に11回のUAV観測を実施し、渦相関法による地上観測、Landsat 8・9、Sentinel-2・MODIS融合データと比較した。UAVによる推定値は地上観測より平均3%低く、RMSEは0.60mm/日だった。一方、Landsatでは17%、衛星融合データでは6%の過小推定となり、UAVによる圃場内の高解像度な水利用評価の有効性が示された。
・Weed Detection from Unmanned Aerial Vehicle Imagery Using Deep Learning—A Comparison between High-End and Low-Cost Multispectral Sensors
(深層学習を用いたUAV画像からの雑草検出:高性能・低価格マルチスペクトルセンサーの比較)
Anna Teresa Seiche, Lucas Wittstruck, Thomas Jarmer
2024
https://doi.org/10.3390/s24051544
ドイツのトウモロコシ圃場を対象に、MicaSense AltumとRaspberry Piを利用した低価格自作マルチスペクトルカメラを比較し、深層学習による雑草検出性能を評価した研究。両カメラを同一UAVに搭載し、赤・緑・近赤外画像を用いたU-Netでトウモロコシ・雑草・土壌を分類した。雑草検出のF1スコアはAltumが82%、自作カメラが76%、Recallはそれぞれ75%、68%だった。自作カメラでも一定の性能が得られたが、小さな雑草の見落としが多く、Altumの高い画像品質が検出性能に寄与した。
・Calibrating UAV thermal sensors using machine learning methods for improved accuracy in agricultural applications
(農業用途の精度向上に向けた機械学習によるUAV熱赤外センサーの校正)
Emre Tunca, Eyüp Selim Köksal, Sakine Çetin Taner
2023
https://doi.org/10.1016/j.infrared.2023.104804
トルコのソルガム圃場を対象に、MicaSense AltumとFLIR Duo Pro-Rの熱赤外温度計測精度を比較し、機械学習による校正の有効性を評価した研究。2020~2021年の観測データと地上温度測定値を用いて複数の機械学習手法を比較した結果、XGBoostが良好な補正性能を示した。Altumの温度計測RMSEは4.23°Cから1.39°C、FLIRは3.84°Cから1.33°Cに改善した。また、補正後の温度データと草丈・LAI・土壌水分との相関も確認され、農業用熱赤外観測における現地校正の重要性が示された。
・Multimodal Deep Learning for Rice Yield Prediction Using UAV-Based Multispectral Imagery and Weather Data
(UAVマルチスペクトル画像と気象データを用いたマルチモーダル深層学習による水稲収量予測)
Md. Suruj Mia, Ryoya Tanabe, Luthfan Nur Habibi, Naoyuki Hashimoto, Koki Homma, Masayasu Maki, Tsutomu Matsui, Takashi S. T. Tanaka
2023
https://www.mdpi.com/2072-4292/15/10/2511
日本の宮城県・岐阜県・高知県にある水稲22圃場を対象に、UAVマルチスペクトル画像と気象データを統合した深層学習による収量予測を検証した研究。2017~2022年のサンプルを使用し、MicaSense Altum、Parrot Sequoia+、DJI P4 Multispectralで取得した緑・赤・近赤外画像をCNNに入力した。出穂後の週間気象データを組み合わせることで予測精度が向上し、最良モデルではRMSE 0.859t/haを達成した。一方、同程度の予測精度を示すモデルでも圃場内の収量分布が異なり、空間的な推定結果の信頼性評価が必要とされた。
・UAVで撮影した画像から算出した水指標による水田の水深予測
丹羽英之
2023
https://doi.org/10.3825/ece.22-00001
京都府亀岡市の約26haの水田を対象に、DJI Matrice 300に搭載したMicaSense Altumのマルチスペクトル画像から水指数NDWIを算出し、水深推定の可能性を検証した研究。2021年5~7月に計6回撮影し、水田・水路など325地点の実測水深と比較した。NDWIによって水田内の湛水状況の不均一性や、江などの比較的深い水域を把握できた。一方、稲の生育、水の濁り、土壌反射などの影響により、灌漑期間全体に共通する回帰式で水深を推定することは困難だった。水生生物の生息環境評価への応用可能性が示された。
・サクラを対象とした目視活力度評価とUAVプラットフォームで算出したNDVIの比較
丹羽英之、片桐達斗、三浦利夫
2025
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsrt/51/2/51_202/_pdf/-char/en
愛知県豊田市の矢作緑地平戸橋公園に植栽されたサクラ類を対象に、MicaSense Altumを搭載したDJI Matrice 300 RTKによるNDVIと、樹木医による目視活力度評価との関係を検証した研究。2024年に調査した308本のうち250本を分析し、樹勢・葉の量・枝の伸長量では評価ランク間にNDVIの有意差が認められた。特に樹勢と葉の量では、樹幹位置から半径1.5mの範囲でNDVIを集計する方法が適していた。一方、枯死に近い樹木では地表植生の影響を受けるなどの課題があり、目視調査を補完する樹木管理手法としての有効性が示された。
・Growth Diagnosis and Yield Prediction in Lettuce Using a Drone Equipped with a Multispectral Camera
(マルチスペクトルカメラ搭載ドローンを用いたレタスの生育診断と収量予測)
Shinichi Nakano, Akira Hama, Ryohei Koyama, Yuichi Uno
2026
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hortj/95/1/95_SZD-046/_html/-char/en
兵庫県南あわじ市のレタス試験圃場を対象に、MicaSense Altumを搭載したDJI Inspire 2によるマルチスペクトル画像からNDVIを算出し、生育診断と収量予測の可能性を検証した研究。施肥量4段階と48時間の湛水処理区を設け、定植後7回のUAV観測を実施した。定植31日後の結球開始期におけるNDVIと収穫時の収量にはR²=0.87、全窒素含有量にはR²=0.77の関係が認められた。また、湛水処理による生育抑制もNDVIの低下として確認され、収量予測や湿害の早期把握への応用可能性が示された。
・Soybean (Glycine max L.) canopy response to simulated dicamba vapor drift using unmanned aerial sensing
(UAVセンシングによるジカンバ蒸気飛散を模擬した際の大豆群落の応答)
Dylan R. Kerr, Aaron G. Hager, Dylan Allen, Andrew D. B. Leakey, Dennis Bowman, Martin M. Williams II
2025
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12441782/
米国イリノイ州のダイズ圃場を対象に、MicaSense RedEdge-MX Dual(2022年)およびAltum(2023年)を搭載したUAVを用い、除草剤ジカンバの模擬蒸気ドリフトによる薬害と分光反射特性の関係を評価した研究。通常使用量の1万分の1に相当する0.056g/haの処理でも、8日後に葉の変形と分光応答の変化が確認された。特にレッドエッジ帯域の反射率や、GCC・GLI・ExRなどの植生指数が薬害評価と強い相関を示した。マルチスペクトル観測による低濃度除草剤被害の把握と広域監視への応用可能性が示された。
Altum-PT
・Using Unmanned Aerial Vehicles and Multispectral Sensors to Model Forage Yield for Grasses of Semiarid Landscapes
(半乾燥地草地の牧草収量モデル化におけるUAVとマルチスペクトルセンサーの利用)
Alexander Hernandez, Kevin Jensen, Steve Larson, Royce Larsen, Craig Rigby, Brittany Johnson, Claire Spickermann, Stephen Sinton
2024
https://www.mdpi.com/2813-3463/3/2/7
米国ユタ州およびカリフォルニア州の半乾燥地域に生育するイネ科草本を対象に、MicaSense Altum-PTを搭載したDJI Matrice 600 Proによる画像から牧草収量を推定した研究。RGB画像、レッドエッジ・近赤外、植生指数、SfMによる草冠の3次元体積を用い、線形回帰とランダムフォレストを比較した。草冠が密な草種では3次元体積のみでもR²約0.7以上の推定が可能だった。一方、草冠がまばらな草種ではマルチスペクトル情報を用いたランダムフォレストが有効で、検証データに対してR²=0.53を示した。植生構造に応じたセンサーと解析手法の選択が重要であることが示された。
・Integrating Physical-Based Models and Structure-from-Motion Photogrammetry to Retrieve Fire Severity by Ecosystem Strata from Very High Resolution UAV Imagery
(超高解像度UAV画像から生態系階層別の火災被害度を推定する物理モデルとSfM写真測量の統合)
José Manuel Fernández-Guisuraga, Leonor Calvo, Luis Alfonso Pérez-Rodríguez, Susana Suárez-Seoane
2024
https://www.mdpi.com/2571-6255/7/9/304
スペイン北西部の森林火災跡地約300haを対象に、MicaSense Altum-PTを搭載したDJI Matrice 300 RTKによるマルチスペクトル画像とSfM点群から火災被害度を推定した研究。108調査区の複合火災被害指数(CBI)を基準に、森林の各植生階層における3次元構造と、PROSAIL-Dによる植生の生物物理量を統合した。提案手法は内部検証でR²=0.910、異なる火災跡地への外部検証でもR²=0.807、RMSE=0.260を達成し、従来の調査区単位の解析より高精度だった。森林の垂直構造と分光情報を組み合わせることの有効性が示された。
・Early Detection of Pepper Wilt Disease Using Unmanned Aerial Vehicle-Based Multispectral Time-Series Imagery
(UAVマルチスペクトル時系列画像によるトウガラシ萎凋病の早期検出)
Gangin Je, Yeseong Kang, Chanseok Ryu, Changhyeok Park, Hojun Kwon, Dohyun An, Jian Kim, Sihyeong Jang
2026
https://www.mdpi.com/1424-8220/26/19/6119
韓国のトウガラシ圃場を対象に、MicaSense Altum-PTを搭載したDJI Matrice 300 RTKによる時系列マルチスペクトル画像から萎凋病の早期検出を検証した研究。2023年6~8月に計3回撮影し、9種類の植生指数とロジスティック回帰、SVM、KNNを用いて、約1か月後の感染判定との関係を評価した。7月のロジスティック回帰モデルは検証Accuracy 92.5%、Recall 100%、F1スコア93.0%を達成した。DVIが重要な説明変数となり、複数月のデータを統合するよりも観測時期別のモデルが有効であることが示された。
・UAV-Based Estimation of the Two-Dimensional Spatial Distribution of the Refractive Index Structure Constant
(UAVによる屈折率構造定数の二次元空間分布の推定)
Changyu Liu, Tao Luo, Xuebin Li, Shumei Deng
2026
https://www.mdpi.com/2072-4292/18/19/3437
中国安徽省の農地・草地混在地域を対象に、MicaSense Altum-PTを搭載したDJI Matrice 350 RTKによるマルチスペクトル・熱赤外観測から、大気の屈折率構造定数の二次元空間分布を推定した研究。地表面温度と植生指数を用いた半経験的三角法による熱フラックス推定と、Monin–Obukhov相似理論を統合し、4.5cm間隔の推定分布を生成した。地上の微細温度計との比較では相関係数0.85、対数RMSE 0.44を達成した。植生被覆の多い場所では大気の光学的乱流が弱く、裸地では強い傾向が確認され、UAVによる面的な大気乱流評価の可能性が示された。
・From plots to commercial fields: scalable, transferable cotton morphology and productivity estimation using functional growth proxies from UAV and PlanetScope time series
(試験区から商業圃場へ:UAVとPlanetScopeの時系列データから得られる機能的成長指標を用いた、拡張可能かつ転用可能な綿花の形態・生産性推定)
Francesca Devoto, Michael Bange, Carlos Camino, William Woodgate, Scott Chapman, Andries Potgieter
2026
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13320494/
オーストラリアの綿花栽培圃場を対象に、MicaSense Altumシリーズを用いたUAVマルチスペクトル画像とPlanetScope衛星画像の時系列データから、草冠高、地上部乾物量、綿繊維収量を推定した研究。2作期の試験区データを用い、植生指数や生育速度、時系列曲線下面積などを説明変数とした機械学習モデルを構築した。UAV時系列モデルでは草冠高R²=0.87、乾物量R²=0.86、収量R²=0.85を達成した。さらに8か所の商業圃場へ衛星データを用いて展開し、圃場単位の収量推定でR²=0.67を得た。UAVによる詳細観測を衛星による広域農業モニタリングへ展開する可能性が示された。
・Forecasting Spring Wheat Maturity from UAV-Based Multispectral Imagery Using Machine and Deep Learning Models
(UAVマルチスペクトル画像と機械学習・深層学習モデルを用いた春小麦の成熟予測)
Prabahar Ravichandran, Keshav D. Singh, Harpinder S. Randhawa, Shubham Subrot Panigrahi
2026
https://www.mdpi.com/2624-7402/8/2/62
カナダ・アルバータ州の春小麦30品種を対象に、MicaSense Altum-PTを搭載したDJI Matrice 300 RTKによるマルチスペクトル画像から成熟までの残り日数を予測した研究。2024年と2025年の登熟期にUAV観測を行い、植生指数や分光反射率を用いた11種類の機械学習・深層学習モデルを比較した。多層パーセプトロン(MLP)が交差検証でR²=0.96、平均絶対誤差1.25日を達成し、SVRも同程度の精度を示した。単一植生指数ではOSAVIが最良で、R²=0.93、平均絶対誤差1.49日だった。UAV観測による収穫適期判断や品種選抜への応用可能性が示された。
・Predicting Tart Cherry Stem Water Potential Using UAV Multispectral Imagery and Environmental Data via Symbolic Regression
(UAVマルチスペクトル画像と環境データを用いた記号回帰による酸果オウトウの茎水ポテンシャル予測)Anderson L. S. Safre, Alfonso Torres-Rua, Kurt Wedegaertner, Brent Black, Brennan Bean, Burdette Barker, Matt Yost
2026
https://www.mdpi.com/2072-4292/18/6/853
米国ユタ州のサワーチェリー果樹園を対象に、MicaSense Altum-PTを搭載したDJI Matrice 300 RTKによるマルチスペクトル・熱赤外画像と気象・土壌水分データから、茎水ポテンシャルを推定した研究。2023~2024年に25回のUAV観測を実施し、85種類の植生指数を比較したうえで記号回帰による6種類の推定式を構築した。モデルの決定係数はR²=0.67~0.80、RMSEは0.08~0.11MPaだった。別の果樹園での外部検証では、RGB由来のRCCと樹冠・気温差を組み合わせたモデルがRMSE=0.06MPaを達成し、熱赤外情報の有効性が示された。
・Remote Sensing-Based Biomass Assessment of Hedysarum coronarium from Multispectral UAV Imagery in a Mediterranean Pasture
(地中海性牧草地におけるUAVマルチスペクトル画像によるスラゴのバイオマス評価)
Nicola Furnitto, Sabina I. G. Failla, Giuseppe Sottosanti, Marcella Avondo, Matteo Bognanno, Luisa Biondi, Juan Miguel Ramírez-Cuesta
2026
https://www.mdpi.com/2072-4292/18/10/1594
イタリア・シチリア島の約0.7haのスラゴ牧草地を対象に、DJI Mavic 3 Multispectral(2024年)およびMicaSense Altum-PT搭載Matrice 300(2025年)によるUAV画像から地上部バイオマスを推定した研究。放牧前後の計112サンプルについて生重量・乾燥重量を実測し、センサー間の反射率補正を行ったうえで33種類の植生指数による回帰モデルを比較した。検証データでは生重量の推定で最大R²=0.89、乾燥重量で最大R²=0.87を示した。特に可視光由来のNGRDIやGRVIが良好な性能を示し、簡易な植生指数による牧草地のバイオマス管理への応用可能性が示された。
・Prediction of Thermal Response of Burning Outdoor Vegetation Using UAS-Based Remote Sensing and Artificial Intelligence
(UASリモートセンシングとAIによる屋外植生燃焼時の熱応答予測)
Pirunthan Keerthinathan, Imanthi Kalanika Subasinghe, Thanirosan Krishnakumar, Anthony Ariyanayagam, Grant Hamilton, Felipe Gonzalez
2025
https://www.mdpi.com/2072-4292/17/20/3454
オーストラリア・クイーンズランド州の観賞用植物栽培施設を対象に、MicaSense Altum-PTによるUAVマルチスペクトル画像とEmesent Hovermap ST-XによるLiDAR点群を統合し、植生燃焼時の熱的影響を予測した研究。マルチスペクトル画像からLilly Pillyを分類・抽出し、点群から得た樹高・樹冠直径を基にFire Dynamics Simulatorで燃焼シミュレーションを実施した。その計算結果を学習したXGBoostモデルは、最大温度でR²=0.9971、最大熱流束でR²=0.9933を示した。住宅周辺の植生による火災リスク評価への応用可能性を示したが、予測精度はシミュレーション結果に対するものであり、実火災での検証は行われていない。
・Development of Prediction Models for Apple Fruit Diameter and Length Using Unmanned Aerial Vehicle-Based Multispectral Imagery
(UAVマルチスペクトル画像を用いたリンゴ果実の直径・長さの予測モデル開発)
Do Hyun An, Ye Seong Kang, Chang Hyeok Park, Gang In Je, Chan Seok Ryu
2025
https://www.mdpi.com/2624-7402/7/11/361
韓国・慶尚北道安東市の19か所のリンゴ果樹園を対象に、MicaSense Altum-PTを搭載した固定翼UAV「TRINITY F90+」によるマルチスペクトル画像から、果実の直径と長さを推定した研究。2024年の3時期に取得した画像から9種類の植生指数を算出し、74サンプルの果実実測値を用いて4種類の機械学習モデルを比較した。検証ではKNNが最も高い精度を示し、直径R²=0.82、RMSE=7.61mm、長さR²=0.76、RMSE=8.85mmを達成した。一方、著者らは予測の安定性からGPRを推奨しており、果樹の生育管理への応用可能性が示された。
・滋賀県犬上川中下流部における熱赤外画像及び二次元不定流解析を用いた湧水性希少魚種のハビタット保全計画の検討
泉野 珠穂,金尾 滋史,瀧 健太郎
2025
https://www.jstage.jst.go.jp/article/river/31/0/31_49/_article/-char/ja/
本研究は、滋賀県犬上川中下流域に生息する絶滅危惧種ハリヨの生息環境を保全・再生するため、UAVによる熱赤外画像と河川の水理解析を組み合わせ、生息適地の推定と具体的な保全対策を検討したものである。DJI Matrice 300 RTKにMicaSense Altum-PTを搭載し、約1年間にわたり河川表面の水温分布を継続的に観測した。取得した熱赤外画像から季節を通じて水温が安定する湧水地点を抽出し、二次元不定流解析による水深・流速データと組み合わせ、Maxentによる生息適地モデルを構築した。その結果、水温の安定性が生息適地を決定する最も重要な要因であることが判明し、モデルはAUC0.98という高い識別性能を示した。さらに、河床変動解析を用いて水制やバーブ工の設置効果を検証した結果、湧水を伴う淵の形成が促進され、ハリヨの生息確率が最大約20%上昇すると予測された。本研究は、熱赤外リモートセンシングと水理解析を統合した希少魚種の生息環境再生計画の有効性を示している。
まとめ
本コラムでは、論文のタイトル(適宜和訳)・執筆者・発表年・URLと概要をまとめました。掲載情報は適宜更新していく予定です。
これに記載のない論文をご存じの場合には教えていただけますと幸いです。