VMSとは?監視カメラの可能性を広げるソフトウェアMV

セキュリティ VMSとは?監視カメラの可能性を広げるソフトウェア

会社や施設などで利用が広がっているVMSというものをご存知でしょうか?
VMSとは、監視カメラの映像を記録し、そのデータを保存して管理するソフトウェアです。従来の監視カメラとは違う機能が備わっているのが特徴です。VMSとは何か、何ができるのかなどを紹介していきます。

VPSとは

VMS(Video Management Software)とは、防犯・監視カメラの映像を記録し、そのデータを保存して管理するソフトウェアです。規模の大きい監視システムに導入されることが多いですが、最近では家庭用などの小規模な範囲にも活用されています。

従来は、映像の閲覧や録画が主な役割でしたが、技術の発達により顔認証や車番の認識など、解析する機能が多岐に渡り、またネットワークに繋がっていることです。

VMSとNVRの違い

VMSと似た言葉にNVR(Network Video Recorder)というものがあります。NVRとは、ネットワークカメラの映像を記録する機器のことです。
ネットワークを通じて、録画した映像をスマホやパソコンで共有することができます。
簡単に言うと、VMSはソフトウェアで、NVRは録画機器とも分類できます。

VMSでできること

1. 遠隔地でのカメラ映像の閲覧

スマホやパソコンからVMSにアクセスし、遠隔地からリアルタイムで監視映像を閲覧できます。ネット環境があればどこでも作業ができるので、コロナ禍において感染対策が可能となります。

異変が起きた場合は、瞬時にスマホやパソコンに通知を送ることもできるので、離れていても安心です。遠隔から音声と照明を操作することもでき、一次対応がリアルタイムに素早く済みます。現地に行かずとも管理システムを構築できるので、効率的に作業ができます。

2. 複数のカメラ映像の管理

各場所に設置してあるカメラ映像を一括管理できます。大規模な環境で複数の監視カメラを設置していても、1つのVMSに記録できるので管理がしやすくなります。少人数で効率的な作業が実現できます。

複数の映像を保存してダウンロードも可能なので、お互いが共有し合って対策に取り掛かれます。

3. 映像の中の異常検知

映像から特定の異常を検知することが可能です。従来は複数の映像を目視で確認していましたが、例えばドアが開いている映像だけをピックアップして確認するなど、自動的に異常検知をすることで確認したい映像だけを映し出すことができます。

VMSは、顔認証、画像解析、物体検出など、様々な解析システムが備わっています。

従来の映像を記録するだけでなく、解析機能でより正確に詳細を知ることができるでしょう。異常検知により、素早く違和感に気付き行動することが可能となるのです。

VMSの活用現場

公共施設

駅や空港、学校などの公共施設は、多くの人が集まり、監視する範囲が比較的広いので、VMSは非常に有効的です。特に駅は、比較的トラブルが起きやすい場所であり、抑止力として必要が高いといえます。さらに、人が多いほど犯罪が起こりやすくなるので、人口密度の高い駅などはVMSを活用した防犯対策が必要不可欠です。 また、防犯カメラがあるだけでも犯罪の抑制効果になり、犯罪が起こっても保存した映像を元に、その後の捜査に役立てられます。
夜間や薄暗い場所でも鮮明に撮影でき、警備員と併用することで警備の効率化が図れます。

オフィスビル

オフィスビルでは、部外者の侵入や情報漏洩などの防止などの目的で活用されています。利用者に安心感を与えるためにも、玄関やエレベーターなどの共有スペースにカメラを設置するのが重要です。
巨大なビルの場合は監視の範囲が広いので、それだけ警備費用がかさみます。VMSの導入により、離れた場所でも確認でき、スマホやパソコンで確認できるので業務の効率化が可能でありこうしたコストを抑えられます。
高性能なVMSを取り入れていることを知れば、不正行為を働かせない心理にさせる抑止効果も見込めます。

工場

工場では、危険な状況が多いので、VMSで集めた映像データを元に防止策が立てられます。まず、危険エリアにカメラを設置し、映像データを解析することで、労災になりそうな映像を抽出することが可能となります。
危険情報を社内で瞬時に共有することで、今まで以上の危機回避が期待できます。製造における製品検査にも活用できます。
また、製品を人で品質チェックする場合は、ヒューマンエラーが起こる恐れがあるので、AI解析ソフトを合わせることで自動検査が可能となります。

医療施設

医療施設では、患者に対して活用するという特長があります。病室に監視カメラを設置し、患者の状況をいち早く知ることができます。
動いてはいけない患者が勝手に部屋を出たり、転倒したりする事態は、これまでは巡回しないと知ることができませんでした。
カメラ映像をVMSでデータ処理すれば、患者の入退室、夜間徘徊の管理などが把握しやすくなります。また、不審者や患者のトラブル対策にも使われます。
病室は自由に出入りできるので、患者に不審者が近づいて窃盗や危害を加える恐れもあるでしょう。
患者同士のトラブルや看護師に対する過剰なクレームなどへの対策にも、VMSによって未然に防いだり証拠として得ることができたりと、非常に有効です。未然に防いだり証拠を得ることでも有効的です。 他にも、診察室に設置し、機密情報の流出や不正を防ぐ目的もあります。医療ミスなど人命に関わる事故の原因究明の為にも監視カメラが必要となっています。

小売店

スーパーなどの小売店では、主に万引き対策に導入されています。VMSの顔認証システムで要注意人物の顔を登録し、確認されたら担当者に通知を送ることができます。
一方、顧客の行動データを分析し、動線や商品の配置を見直すといったマーケティングにも役立てることができます。

VMSを選ぶポイント

対応可能なカメラ

メーカーによって対応可能なカメラが違うので、設置したいカメラがあるのか、今所持しているカメラでも使えるのかを調べます。
防犯カメラの種類は主に下記の3つです。

ボックス型
ドーム型
PTZ型

ボックス型は、防犯カメラとしての存在感が大きいのが特徴であり、犯罪の抑止効果が期待できます。店舗の外側に設置することが多いです。

ドーム型は、丸い形状で目立ちにくいのが特徴であり、どの方向を監視しているかも認識できないので、カメラを発見しても死角を見つけられません。屋内の天井に設置している例が多いです。

PTZ型は、カメラが自動で動いたり、ズームしたりできるのが特徴です。設定した通りに動き、自動追尾機能の機種もあります。

機能

当然のことながら、目的に合った機能が備わっているか調べる必要があります。録画時間、画像解析、バックアップ機能など、課題解決に必要な機能が揃っているかを事前に確認し、システム全体の仕様を決定していきましょう。

使いやすさ

VMSは様々な機能があるので、使いやすさも選ぶポイントになります。不慣れな人は、直感的に操作できるものが理想的です。また、動作が重くなく、スムーズに扱えることも重要なポイントです。

値段

値段は、カメラの台数や機能の多さにより変わります。PTZカメラのような高性能カメラは高額になってくるので、必要な要素を十分調べた上でご自身の予算に合うように仕様を決めましょう。

まとめ

  • VMS(Video Management Software)とは、防犯・監視カメラの映像を記録し、そのデータを保存して管理するソフトウェアである
  • NVR(Network Video Recorder)とは、ネットワークカメラの映像を記録する機器である
  • 遠隔地からでもカメラの映像を閲覧でき、操作することが可能
  • 複数のカメラやシステムを一括管理でき、少人数で効率的な作業ができる
  • 映像を検知する機能があり、特定の状況の映像だけを写したり、画像を解析したりする機能などがある
  • 公共施設、ビル、病院など、様々な場所で活用されている