ネットワーク経路冗長化プロトコール "α-Ring(アルファ・リング)"

アルファリング アルファ・リング プロトコール
15ミリ秒以内の高速ネットワークリカバリー:
α-Ringは、IEEE802.1Dで標準化されている通信経路冗長化プロトコールであるスパニングツリープロトコル(下記ご参照)や、IEEE802.1wで標準化されているSTPの改良版であるラピッドスパニングツリープロトコル(下記ご参照)に比べ、リンク不良により発生するパケット損失を最小限に抑えより迅速にネットワークの回復を図るために開発された冗長ネットワークプロトコールです。
非常に重要な業務ではノンストップでのデータ伝送は常に最優先事項です。α-Ringアーキテクチャは不意のネットワークの断線を15ミリ秒以内に復旧させ、復旧の過程で生じるパケット損失を最小限に抑える為の高速ネットワーク冗長メカニズムです。最後の接続をバックアップのネットワークパスとして設定するα-Ring特有の仕組みにより、リング回復がなされた時はそれ以上のデータ損失は発生しません。

左図はgif anaimation画像で、リンクダウン発生の場合のネットワーク回復のプロセスを簡単に説明しています。回復のプロセスは下記のようになります。

(1)ある区間の光ファイバーに障害が発生してリンクダウンが発生
(2)その区間を接続しているスイッチのリングポートはBPDU (Bridge Protocol Data Unit) というパケットで「Link Change Information}の情報を隣接するスイッチに送ります。
(3)また同時に、その区間を接続しているスイッチのリングポートはSNMP Trap利用でPort Link Downのメッセージをネットワーク管理者に送り、管理者はそれによりLink Down発生の区間を知ることが出来ます。
(4)予め設定していたBackup Pathに接続されているスイッチは、接続ポートの設定をBackup PathをActive Pathに昇格させます。その結果、15ミリ秒以内にネットワークは回復し、データはリンクダウン発生の区間を回避して新たにActive Pathに昇格したルートを通ることになります。
(5)α-Ringリカバー時間テスト結果は下記の通りです(参考):
α-Ringの高速リカバー機能を使えば、データを失わずに最大でも15ミリ秒以内に通信を回復でき冗長ネットワークを構築することが可能です。
- 平均時間:12.0297ms
- 最速時間:5.65ms
- 最長時間:12.88ms
  alfa ring test

α-Ringテスト:⇒ | メーカーでのα-Ringテストレポート | 3台のスイッチを使用した簡単なテスト方法 |
α-Ring上のスイッチにバックアップスイッチを配置した場合のトポロジー:⇒ | α-Ring + Backup Switch Topology |
α-Ringカタログ:⇒ | 日本語カタログ |
 
alfa ring1 余計な帯域負荷を避ける流線型的アーキテクチャ:
α-Ring技術はリングの状態を調べる為に帯域を消費するような監視パケットを送ったり必要としたりする事は一切ありません。リングのポート接続はそれぞれのネットワーク上のα-Ringに対応したスイッチによって監視されます。そのため、α-Ring機構はネットワークの負荷を増大させる事は一切ありません。


柔軟なネットワーク展開:
ネットワーク内の既設のSTP(Spanning Tree Protocol)/RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol )リングについて心配をする必要はありません。α-Ringは既設のSTP(Spanning Tree Protocol)/RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol )リングを廃棄あるいは変更を要求する事はありません。STP/RSTPリングを含め既設のネットワーク冗長化の為のプロトコールとの通信を可能にする最大の柔軟性を持っております。

ネットワークの効率と性能を強化するリング結合:
alfa ring2
産業ネットワークは、多数のネットワークのリングと、個別リング型ネットワーク間を結ぶネットワークから成っています。ネットワークの冗長性はネットワークリング間の結合方法により実現出来ます。全てのスイッチは一つの大きなネットワークリングの中だけで閉じ込められ、接続される必要はありません。多数のスイッチを含むネットワークは、より小さい管理し易いリングに分割される事によりネットワーク効率と性能を確保出来ます。

他の標準冗長プロトコールとの通信を可能にするDual Homing機能:
alfa ring3
二つの異なるリングネットワークは、α-RingのDual Homing機能を利用した冗長ネットワークパスにより互いに結合できます。ネットワーク間の主パスが不通になった場合15ミリ秒以内にバックアップパスが活性化します。その為、それぞれのリングネットワーク内でどのような標準タイプの冗長ネットワークメカニズムが組み込まれていようと、また、それがSTPであろうとRSTPであろうと、2つのリングネットワーク間をα-Ringを使ってパスの冗長性を確保できます。

α-Ringをサポートしている当社ネットワークスイッチの型番:

工業用管理型イーサネットスイッチ:
 EX62000
 EX63000
 EX65000
 EX71000
 EX72000
 EX73000
 EX76000
 EX77000
 EX78000
 EX87000
Note:上記以外に、今後発売される新型モデルもα-Ring対応のものがありますのでα-Ring対応機種については弊社までお問い合わせください。
α-RING 導入事例: alf ring app1

■スパニングツリープロトコル(STP)とは

stpスパニングツリープロトコル(STP)は、スイッチ(ブリッジ)ネットワークにおいて、冗長経路(複数経路)の設定を可能とし、ネットワークの耐障害性を高めるプロトコルです。
ネットワーク上に複数の経路を設定し、障害発生時に迂回路を使えるようにすることは自然な発想ですが、Ethernet ではループ状の経路がブロードキャストストームによるネットワーク停止を招くため、そのままでは複数経路の設定自体ができません。
スパニングツリープロトコルを使用すると、ブリッジ同士がメッセージを交換し合うことにより、すべてのブリッジを含むツリー状の論理経路(スパニングツリー)が自立的に構築されます。物理的にループが存在しても、ツリーを構成しないポートは自動的にブロックされるため、パケットがループすることはありません。
また、障害が発生して一部の経路が不通になったときは、ツリーの再計算が行われ、自動的に新しい経路に切り替わる冗長機能も備えています。
スパニングツリープロトコルは、IEEE 802.1Dとして標準化されています。STPは、与えられた優先順位を元に、ブリッジ間でBPDU(Bridge Protocol Data Unit)と呼ばれる制御情報をやり取りして、ブロックするポートとフォワードするポートを決定します。
STPは、障害時に迂回経路が確保できるという利点があるため、大規模なネットワークには欠かせない、プロトコルです。
STPには、IEEE802.1DとIEEE802.1Wという複数の種類が存在します。なお、現在主流になっているのは、IEEE802.1Wで、通称、RSTP(ラピッドスパニングツリープロトコル)と呼ばれているプロトコールです。
STPでは、下のように5つの状態を移行するので、最大で50秒(20秒+15秒+15秒)の通信断が発生します。
・Disabled(無効)
 ↓(ポートは管理上シャットダウンされています)
・Blocking
 ↓(最大経過時間20秒)
・Listening
 ↓(転送遅延15秒)
・Learning
 ↓(転送遅延15秒)
・Forwarding
その間、通信ができない状態になりますので、ミッションクリティカルな環境において、あまり向いているとは言えません。

■ラピッドスパニングツリープロトコル(RSTP)とは

STPではどんなにがんばっても最大で50秒の通信断が発生します。
アプリケーションによっては、その数十秒の通信断が命取りとなる場合もあり、ミッションクリティカルな環境では決して使いやすいとはいえないのが現状でした。特に音声やビデオといった遅延に影響されやすいトラフィックには不向きです。
そこで現状のSTPの弱点を克服するべく開発されたプロトコルがRSTP (ラピッドスパニングツリープロトコル)です。
RSTPを使用すればスパニングツリーの再計算は1秒程度となり、瞬断レベルでの切替が可能になります。また、RSTPはIEEE802.1wとして標準化されていて、STP(IEEE802.1d)とは互換性があります。 そのためSTPとの混在環境でも問題なく動作するというのも特徴の1つです。